Copyright(c) NanoAlloyTechnology Inc. all rights reserved.
新潟県長岡市新産2丁目7番地7
TEL 0258-86-7231
金属ナノ粒子
・金属ナノ粒子
 金属粒子を1nm-1,000nm(1mmの100万分の1-1,000分の1)のナノスケールまで細かくしたものを金属ナノ粒子と言います。金属粒子をナノスケールまで細かくすると、金属粒子の単位体積当たりの表面積が大きく増加します。更に、10nm以下のシングルナノの大きさにすることで、ナノ粒子の表面にエッジ(稜線)や三相界面と呼ばれる反応活性サイトが多く表出してきます。これらがナノ粒子以外の金属粒子やバルク(粒子ではない大きさの固体)の金属では見られない様々な性質や機能、触媒活性を生じさせます。例えば融点効果、磁性の発現、特定波長の光の選択的吸収などが知られています。
1種類の金属元素からなる金属ナノ粒子に対して、2種類以上の
金属元素が混ざり合ったナノ粒子は合金ナノ粒子と呼ばれます。

固溶しない金属同士でも、ナノ粒子としては同一の粒子内に均質に混ざり合って存在することが可能であり、合金ナノ粒子の合成が可能になることで、バルク状態では固溶しない金属同士を固溶させることができる様になりました。
合金ナノ粒子を合成する方法はこれまでにも多数開発されてきましたが、その殆どは溶媒を用いたウェット(湿式)プロセスによるものでした。代表的な方法として、複数の金属塩を溶融した有機溶媒を長時間高温過熱する還元反応が挙げられますが、この方法では大量合成が難しく、合成後に有機溶剤を除いて目的物を取り出す工程や廃液処理も必要であり、コストが嵩んで量産化が難しいという点に問題がありました。

また、合金化できる元素の種類に制約がある上に、合成可能な元素の数にも制約がありました。2019年4月現在では、日本国内では6元素、世界では8元素による合金ナノ粒子合成が最高の合成元素数となっており(当社調べ)、これらは何れもウェットプロセスを用いて合成されています。
「元素間融合」
複合ドライプラズマ法
既存の合金ナノ粒子合成法と、その問題点
関連資料リンク
関連書籍リンク
固溶しない金属
金属を互いに溶け合わせ(固溶)て合金を作ることができる金属の組み合わせは、金属全体の3割程度にとどまります。約7割の金属は、互いに固溶しないために合金を作ることができません。それぞれの金属の融点を超える高温にして液体にしたとしても、水と油の様に分離してしまい、合金を作れません。代表例として、鉄と銅の合金が存在しないことが昔からよく知られています。
現在、多種多様な合金が存在し、産業用途や研究開発用途に用いられていますが、これらは互いに固溶し合う金属の組み合わせの中から選ばれた、あるいはたまたま見つけられた合金を用いているにすぎません。
仮に、現在は活用されていない約7割の金属同士の2種類以上の組み合わせによる合金が作れたとしたら如何でしょうか?産業応用や研究開発分野で無限ともいえる可能性が拡がることが期待されます。
「合金ナノ粒子」
合金ナノ粒子では、元の金属元素が持ち合わせていない性質を
発現したり、元素周期表上の元の元素の中間にある元素の性質
を発現させたりすることができることが、2013年に京都大学
の北川宏教授によって発見・発明されました。そして当時の
日本化学会の玉尾皓平会長により、この現象は「元素間融合」
と名付けられました。
機能的に新しい元素を創り出すことができる「元素間融合」
は、希少元素を代替したり、その使用量を大幅に削減したり、
或いは有害元素を用いずに目的を達することができるなどの
極めて有用な応用が期待されています。
更に「元素間融合」によって、これまでには全く実用化されて
いなかった新しい触媒活性が見いだされたり、素材・材料が
無数に創出されたりする可能性があります。
ナノアロイテクノロジー社が新規に独自開発した、ドライプロセスのみによる合金ナノ粒子合成法です。元素の組み合わせを柔軟に反映することが可能な複合ターゲットを用いることで、僅か数秒から数十秒で均質な合金ナノ粒子を安定合成することができます。また、前処理や後処理が不要で、基本的には合金化できる元素の種類に制約がなく、合成可能な元素数にも理論上は上限がありません。現在、ナノアロイテクノロジー社では、合金ナノ粒子の多元素合成数として世界最高記録となる11元素の合金ナノ粒子合成に成功しています(2019年4月6日付け当社News Release参照)。
「複合ドライプラズマ法」によって合成される合金ナノ粒子は粒径が5nm以下であり、粒径が1nm以下の合金サブナノ粒子の合成も可能です。また同じ粒径の合金ナノ粒子でも、ウェットプロセスを用いる合成法による合金ナノ粒子と比較した場合、触媒等の反応活性を生じていると考えられるエッジ(稜線)や三相界面の多い形状を取ることが確認されています。

合成装置例のイメージ図